寄木細工の模様と意味
寄木細工の模様には様々なものがあり、それぞれに意味が込められています。ここではその一部をご紹介!
六角麻の葉
大麻の葉をもとにした文様で、六角形を連続してつなげていく幾何学的な文様です。麻の葉は4ヶ月で4mにもなるほど成長が早く、真っ直ぐにグングン成長して行くため、麻の葉柄には子供の健やかな成長の願いが込められています。またこの柄には魔除けの意味があり、昔から産着の柄として広く親しまれてきました。
紗綾型
紗綾形とは、卍(まんじ)という字を斜めにくずして連続させた文様です。そのため「菱万字(ひしまんじ)」とも言います。桃山から江戸時代に中国の明から、表面がなめらかな絹織物の紗綾織(さやおり)が輸入され、その模様を紗綾形(さやがた)と呼ぶようになりました。また、慶事礼装用として、白襟には必ず紗綾形が使われました。
連続卍つなぎは、「不断長久(絶えることなく長く続く)」という意味があるので、「家の繁栄」や「長寿」の願いが込められています。
菱青海波
この柄の発祥はペルシャとされ、日本に伝わったのは平安時代に書かれた源氏物語の中に『青海波』という雅楽を舞う光源氏の姿が描かれています。青海波は、広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄で、無限に広がる波の模様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の平安な暮らしへの願いが込められた縁起の良い柄です。さらに菱は命力の強い植物で、無病息災や子孫繁栄の象徴で、二つの特徴を組み合わせたこの柄は、両方のいい意味を備えていると言われます。
鱗文様
鱗文様は、「入れ替わり文様」と言い、三角形を交互に入れ替えて文様を形づくっています。魚や蛇の鱗(うろこ)に似ているところから鱗文(うろこもん)と呼ばれるようになりました。鱗文様は蛇や蝶を連想して、脱皮を表し、厄を落とし再生するという意味があり、江戸時代には厄除けの文様とされました。
亀甲
「亀甲」とは亀の甲羅のことです。
亀は「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、長寿吉兆の縁起の良いものとされてきました。そのため日本伝統の吉祥文様として、今なお広く知られています。
亀の甲(六角形)が崩れない連続模様で、永遠の繁栄を願ったものとされています。
網代
「網代」は”あじろ”と読みます。網代とは、細く切った竹を網のような状態に編んだもので、日本建築の天井などにも用いられています。文字通り「網の代わり」なので、網代模様のデザインには大漁の縁起が込められているとも言われています。
七宝矢羽(しっぽうやばね)
七宝矢羽は、七宝模様と矢羽模様が組み合わさったデザインです。七宝というのは、同じ大きさの円がいくつか重なり合ったデザインで、円満、調和、ご縁などの願いが込められた縁起の良い柄です。また、矢羽というのは、斜めになった四角形が組み合わさって矢の羽の部分のような形になったものです。矢羽には「魔除け」「破魔矢」といった意味合いがあるので、縁起が良いとされています。
風車
風車は羽根に風を受けて回転し、原動力を得るための装置で、発電や風速計などに用いられます。別名「かざぐるま」ともいいます。家紋に用いられた風車は玩具の「かざぐるま」で、細い木、割り竹などを四角く切った紙を貼り、柄をつけて、豆でとめたものです。「まめに動く」の意味から正月の縁起物として神棚に飾られたりもしました。
市松
市松模様は碁盤目状の格子の目を色違いに並べた模様です。江戸時代中期に「佐野川市松」という歌舞伎役者が舞台でこの模様の袴を着ていたところ、女性の間で大流行し、以来「市松模様」と呼ばれるのが一般的になっています。その柄が途切れることなく続いて行くことから、繁栄の意味が込められており、子孫繁栄や事業拡大など縁起の良い模様として沢山の人に好まれています。同様の理由から、東京オリンピックのエンブレムも採用されています。通常の同じ四角形が組み合わさった模様ではなく、3つの四角形が組み合わせてあり、そこには、多くの文化や国が関わり広がっていく事による「多様性」を表現したいという思いが込められています。
これ以外にも寄木細工には様々な模様が使われています。
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